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民医連新聞

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ポリオ予防接種 民医連の対応方針は 定期接種ワクチン 「不活化」への切り替え急ぐことこそ

 ポリオ(小児マヒ)の予防接種を控える動きが広がっています。
 現在日本で定期接種されているのは「生ワクチン」ですが、より安全性の高い「不活化ワクチン」が、来年度にも導入される見通しになりました。接種控えの 増加はその導入待ちとみられます。厚生労働省の調査でも、接種率は過去三〇年で最低、今年四~六月の接種は、昨年比一八%減です。「市町村に上半期の接種 状況を調査したところ、昨年同期の四〇%減だった」との報告も(群馬県)。日本小児科学会が、「ポリオの流行を防ぐためにも、接種待ちは推奨できない」と いう見解を発表せざるを得ない事態です。
 ここで全日本民医連理事会が八月に確認した見解の概要を改めて紹介します。事業所が不活化ワクチンを輸入して接種する場合の留意点もあげています。

■より安全なワクチン導入 日本では著しく遅れている

 生ワクチンは、ウイルスの病原性を弱めて作られていますが、一〇〇万人に一・四人の確率で 手足にマヒが出たり、接種児の便から周囲に二次感染することもまれに起こっています。一方、不活化ワクチンは、ウイルスを殺して作られるため、より安全に 予防接種を行うことが可能です。世界の国々が不活化ポリオワクチンに切り替えていますが()、日本ではまだ臨床試験の段階で、きわめて遅れています。最近では、親と医師らが、不活化ポリオワクチンを個人輸入し接種するケースが増えています。輸入数は月二万本にのぼっています。
 しかし、個人輸入の接種には問題も。経済的事情で受けさせたくても受けられない家庭が出ます。定期接種は無料ですが、個人輸入は全額自己負担。三回の接 種で計二万円近くかかります。不活化ワクチンは未承認薬のため、接種による健康被害が起きた場合、公的保障はありません。
 安全で確実なポリオ予防のためには、定期接種を早急に不活化ワクチンに切り替えさせる運動を強めることが欠かせません。全日本民医連の一一月理事会では「ポリオの会」の署名にとりくむことも確認しました。(図参照

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■不活化ワクチンを輸入し、接種を行う場合の留意点

 当面、民医連の事業所で不活化ワクチンを輸入し、接種を実施する場合の留意点は次のとおりです(くわしくは全日本民医連通達ア・六五二号)。
 (1)医療機関で十分な討議を行い、管理部の最終判断が必要
 薬事委員会、医局会議などで必要性、安全性、価格などについて十分な議論を行った上で、最終的には管理部が判断する。実施する場合は、県連を通じて、全日本民医連に報告する。
 (2)保護者への十分な説明と同意書による確認
 現時点では、不活化ワクチンが「未承認薬」であり、接種で起きた健康被害に公的な保障が無いことを十分説明し、納得の上で、同意書を取り、接種を行うこ と。なお、同意書を得ても実施した医療機関の法的責任は免責されません。
 (3)価格の設定に留意を
 もし民医連の事業所で実施する場合は、可能な限り低い価格に設定し、保護者の負担軽減に努めること。

■不活化ワクチンの早期実施を求める「ポリオの会」の署名運動をすすめましょう。
署名用紙は会のホームページにあります。
http://www5b.biglobe.ne.jp/polio/

(民医連新聞 第1513号 2011年12月5日)

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